【新任教員の紹介】房賢嬉先生(日本語学・日本語教育学)

<Q1> 「お名前」をお教え下さい。

房賢嬉(ばん ひょんひ)です。

<Q2> 「ご専門(あるいは担当科目)」をお教え下さい。

専門は日本語学、日本語教育学です。

<Q3> 好きな食べ物は何ですか。

「お父さんとお母さん、どっちが好き?」のように、答えに困る質問ですね。食べ物は全般的に好きです(笑)。

<Q4> 好きな映画を紹介してください。

『Billy Elliot(リトルダンサー)』という映画が好きです。イギリス北部の炭鉱町に住むビリーエリオットという少年が様々な逆境を乗り越え、立派なバレエダンサーへと成長する物語です。イギリスのジョージ王子がバレエ好きとして知られているほど、今はバレエ男子も増えてきていますが、映画の舞台になっている1984年のイギリスでは「バレエは女子がやるもの」という認識が根強くあったようです。このような社会の偏見、家族の反対、不況、貧困という厳しい状況の中でも、少年はバレエへの思いを募らせます。猛反対していた父親も息子の真剣な踊りを見て、ビリーを支えてあげようと決意します。ここからが泣けます。この映画の背景には、炭鉱労組のサッチャー政権に対する合理化反対闘争があり、ビリーの父と仲間たちはストライキを繰り返します。しかし、ビリーの父は息子の夢のためにストライキをやめ、仲間を裏切ろうとします。お父さんがスト破りをして炭鉱に戻るシーンは、今でも涙なしでは見れません。アダムクーパーが演じる大人のビリーが登場する最後のシーンは圧巻です!何度見ても飽きない大好きな映画です。

<Q5> 最近嬉しかったことは何ですか。

七夕まつりを見たことです。赴任する前に何度か仙台を訪れましたが、七夕まつりの時期と微妙にずれてしまい、七夕飾りを鑑賞することができませんでした。通りを彩る様々な飾りを見て感動しました。これが今年の飾りです!



<Q6> 感銘深く読んだ本と学生に推薦したい本をお教えください。

たくさんあって、選びにくいですね...。時々思い出す本は、子どもの頃読んだ『ぼくらの未来: 花たちに希望を(Hope For the Flowers)』です。絵本ですが、人生とは何なのか深く考えさせられる内容です。推薦したい本は、『暇と退屈の倫理学(國分功一郎著)』です。大学院時代の仲間たちとゆるい読書会をしていますが、今年の春に読んだのがこの本です。暇と退屈についてこんなに深い考察ができるんだーと感心しながら読みました。少し難しいですが、面白いです。

<Q7> 研究者(あるいは教員)を志したのはいつですか。

学部生の時からだと思います。きっかけは、大学3年生のときにとった「日本語音声学」という授業です。前期は音声学の基礎的な知識を学び、後期は前期に学んだ知識を活かして好きな文章を朗読し、録音したものを提出するという授業でした。その授業を通して自分の発音が上達したことに気づきましたが、そのときに「それはなぜなのか」という問いが生まれました。その問いがのちに博士論文になりました。

<Q8> 学院大(生)のよいところをお教え下さい。

学生によってよいところが異なりますので、一言では表せません。

<Q9> 学生時代に印象に残った先生について教えてください。

大学院時代の指導教官です。先生から、「社会的弱者やマイノリティーを支えるための日本語教育」、「人がより人間らしく生きるための日本語教育」について学びました。言語活動と人間活動は一体のものであり、「言語のあり方の良さ=人の生き方の良さ」ということを学んだおかげで、日本語教育に対する視野が広がったと思います。

<Q10> 異文化“誤解”のエピソードがあればお教え下さい。

大学院時代のエピソードです。知り合いのおばあさんが骨折で一か月以上入院すると聞き、お見舞いに行きました。病室で少しでも長く楽しんでもらおうと思い、リーガスベコニアの鉢植えを持っていきました。付き添っていたおばあさんの息子さんに鉢植えを渡したら、とても困った顔で、「これは家に持って帰りますね」と言われたのです。当時は理由が分からず息子さんの行動が理解できませんでした。後日、日本では「鉢植えの花」を持ってお見舞いに行くことがタブーとされていることを知りました。人(または、その人が属している文化)によって「鉢植えの花」に対する意味づけがこんなにも違うんだと改めて感じました。私は「鉢植えの花」を「長生きする=元気=縁起がいい」ととらえていたのに対し、おばあさんの息子さんは、「根付く=寝付く=縁起悪い」ととらえていたのです。文化や言葉の違いが価値観の違いを生み、それが誤解につながると感じたエピソードです。

<Q11> 赴任以来、「なんでやねん」と思わずツッコんでしまった出来事はありますか。

icscaが自販機やコンビニの買い物に使えないことです。suicaやpasmoは使えるのに「なんでやねん!」と思いました。

<Q12> 五月病に悩む学生へ一言、「こうしてごらん」。

ゆるく生きましょう。五月病になりやすい人は、きっとまじめで頑張りすぎる人だと思います。なんでもきっちりしようと思うから、不安になったりストレスをためやすくなったりすると思います。少し失敗してもいいし、無駄なことをする時期があってもいい。気楽にやりましょう。

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