【コラム2】外国語(英語)学習法:私の学生時代(秋葉勉先生)

 スクーリングや入学式、新入生オリエンテーションなどでしばらく休んでいた【コラム】欄を再開させていただきます。今回は、秋葉勉先生による英語学習法について聞いてみましょう。

*         *       *

外国語(英語)学習法:私の学生時代

Effective Ways of Learning English: Looking Back on My School Days

教養学部言語文化学科 教授  秋葉 勉

 ITを利用した教材の充実によって、語学を学ぶ環境は、現在は昔に比べはるかに整っています。留学することも珍しいことではなくなり、多くの学生が留学する時代になりました。しかし、そんな時代でも英語をマスターしている人は極めて少ないのが実情です。
 外国語の効果的な勉強法として、語学の天才と言われている「シュリーマンの方法」がよく紹介されます。私も学生時代にその方法を実践しました。トロイアの遺跡は作り話(虚構)であると考えられていた時代に、彼は子供の頃に伝説のトロイア遺跡について書物で読み、それが実在すると信じ、それを発掘するために18か国語を短期間でマスターしました。その方法は(1)音読する(2)翻訳しない(3)毎日1時間の勉強(4)日記、あるいは興味あることについて作文(5)母国語話者に間違いを修正してもらい、その間違いを復習(6)教会に通う、などの方法です。
 私が大学に入ったのは、やっとカセット・テープレコーダーが売り出された頃です。留学するお金がなかったので、私が取った方法は、日本にいて留学するのと「同じ環境を作ること」でした。ESS(英会話サークル)に入り、NHKラジオの「英会話」のテキストを利用して毎日お昼時間、サークル仲間と英語で話しをしていました。空き時間には、ネイティブの先生の授業を聴講していました。教会の無料英会話教室に通ったり、外国人の先生の自宅で週に一度英語で話をしたりしていました。その他に、一人でイソップ物語、ギリシャ・ローマ神話、小説、民話、そして聖書を英語で読みました。毎日が英語中心の生活でした。
 語学の学習方法は多様にありますが、一番大切なのは「大きな目標」を持つことです。英語(外国語)をマスターすることが、自分の人生でどうプラスになるのかを真剣に考えてみることです。強い動機付けが語学習得には重要なのです。今度はあなたたちが「英語オタク」になるときです。