<Q1> 「お名前」をお教え下さい。
城山 拓也(しろやま たくや)と言います。
<Q2> 「ご専門(あるいは担当科目)」をお教え下さい。
専門は中国近現代文学で、「中国語」や「言語文化学演習」などを担当しています。もともと1920、30年代上海のモダニズム文学に関心があり、小説や詩などを対象に考察を進めてきました。いまは当時の漫画に目を向け、資料収集や作品分析などを行っています。中国近現代文学は日本では「何それ?」な分野ですが、私は本国中国でも「何それ?」と言われてしまう作家、作品を再評価することに喜びを感じています。
<Q3> 好きな食べ物は何ですか。
センマイです。中国語では「毛肚」。日本では焼肉屋さんで見ることができますね。ビール片手に、生のセンマイ(センマイ刺し)を酢味噌などに付けて食べるのがたまりません。中国では火鍋の時によく入れますよね。慣れていない人からするとグロテスクかもしれませんが、美味しいので、ぜひ。
<Q4> 好きな映画を紹介してください。
たくさんあるのですが、この場で一つ挙げるならば、『ウォールフラワー』(原題:The Perks of Being a Wallflower)です。
<Q5> 最近嬉しかったことは何ですか。
Nintendo Switchを手に入れたことです。
<Q6> 感銘深く読んだ本と学生に推薦したい本をお教えください。
村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』です。専門にも関連しており、20世紀の日本人がいかに東アジアと向き合ってきた/向き合っていくのか、独自の視点を提出していて考えさせられます。
学生に推薦したい本は、金庸の武侠小説です。まずは『射鵰英雄伝』、『神鵰俠侶』(日本語タイトル『神鵰剣侠』)、『倚天屠龍記』の三部作から読んでみてください。
<Q7> 研究者(あるいは教員)を志したのは いつですか。
いま考えれば、大学3年生時の北京留学が人生の転換期になったと思います。世界の広さを実感するとともに、自分がいかに無知、無学であるのか思い知らされました。
<Q8> 学院大(生)のよいところをお教え下さい。
新型コロナの影響でまだお会いしたことはないのですが、素朴で、いい学生さんが多いと聞いています。
<Q9> 学生時代に印象に残った先生について教えてください。
大学院生時代の指導教員です(今でもお世話になっている先生です)。中国の現代詩を読む授業だったのですが、難解な詩を前に、誰もが得心する解釈を披露されていたのが印象的でした。点と点をつなげて星座にするかのよう、とでも言えばいいでしょうか。「テクストを読む」とは創造的な行為であると思い知らされました。授業後の飲み会も楽しかったな。
<Q10> 異文化“誤解”のエピソードがあればお教え下さい。
中国に本物のお笑いがないと思い込んでいたことです。学生時代、僕は中国がお笑い後進国だと“誤解”していました。留学中、テレビをつけても、お行儀よさそうな漫才やコントはあれど、ビートたけしの如きブラックジョーク、ダウンタウンのようなシュールなどなかったのですから。政治批判や下ネタは言うまでもありません。ところがどっこい、中国語の勉強を進めるうちに、中国語のジョーク、スラング、罵り言葉が日本語以上に強烈で、バラエティ豊かだと知りました。当然ながら、ネット上の動画はもちろん、文学、映画にも作りこまれたもの、爆笑できるものはたくさんあります。中国には日本的なお笑いがないだけであって、笑うことに対する欲望は想像以上に大きかったのでした。
<Q11> 赴任以来、「なんでやねん」と思わずツッコんでしまった出来事はありますか。
新型コロナウイルス騒動で、毎日が「なんでやねん」です。
<Q12> 五月病に悩む学生へ一言、「こうしてごらん」。
こないだ、くまのプーさんが「Doing nothing often leads to the very best of something.」と言っていました。なので、答えは「何もしないをする」です。