ポルタ(Porta)の紹介②-共に学ぶ韓国語・タイ語-

「共に学ぶ韓国語」では、韓国語を履修もしくは自主学習している学生が参加しています。毎週水曜日、各人が自分で学習した内容を持ち寄り、理解が不十分であった点や疑問点について話し合い、互いに教え合います。教員だけに頼らず、学生同士が協力し合いつつ切磋琢磨して韓国語の実力を伸ばしています。

↑韓国語の勉強          ↑ボードゲームもやっています

言語文化学科にはおまけのプロジェクトとして、「ブレットシュピール・アーベント(ボードゲームの夕べ)」もやっています。ボードゲームに詳しいアッシュ先生、名誉顧問のゾンダーマン先生も参加し、全然知らないゲームでも、みんなでルールブックを読むところから始めますので、気軽に参加してください。

  ↑泰日工業大学から来た留学生からタイ語を習っています。

↑中国語組は今日も一生懸命に留学生と勉強しています。

自主的な学びのコミュニティー「ポルタ(Porta)」のご紹介①

言語文化学科では今年度から新しい取り組みとして、多言語多文化を通じて人間や社会を広く深く考える「自主的な学びのコミュニティー」として「ポルタ(Porta)」を立ち上げることになりました。正規の授業時間の枠を超えて、「多言語多文化を手掛かりに学びを深めたい」との志ある学生が参加しています。正式の単位にはなりませんが、新しい教員や友人と出会い、ともに学ぶことを通じて人間的にも知的にも成長するチャンスです。因みに、「ポルタ」とはイタリア語で「ドア、門」の意味です。

言語文化学科には中国・韓国・タイ・台湾から交換留学生が来ています。月・水・金曜日には、その留学生たちと彼らの出身地域の言語で交流するサロンを設けており、日頃授業で学んだ言語を実際に使ってみたり、あるいは授業ではなかなか触れられない言葉に初めて触れたり、時には留学生お勧めの各国の映画や音楽を共に鑑賞するなどの文化的交流を行っています。

2017年度前期は、「韓国語サロン」「中国語サロン」「タイ語サロン」「日本語サロン」が開かれています(「日本語サロン」は留学生と日本語を使って交流し、彼らの日本語学習をサポートする場です)。

今日は、「留学生と学ぶ(中国語サロン)」にお邪魔しました。

ここでは、教員が言葉を教えるものではなく、学生が主体になって進めていきます。互いが持つ母語・母文化をフルに活用しながら交流することで、多くの気付きを得、互いを理解し、繋がりを深めています。在学生の皆様、気軽に足を運び、積極的に交流を図ってください。

[コラム4]私はどのようにドイツ語を学んできたか(門間俊明先生)

[コラム3]に続いて、門間先生によるドイツ語の話をもう少しお聞きしましょう。

*         *       *

もう何十年も前の話になりますが、自分が大学でドイツ語を勉強し始めた時のことを書いてみたいと思います。
入学したのが文学部のドイツ文学科というところでしたので、とにかくまずはドイツ語を読めるようになることが最優先のカリキュラムでした。初級の文法が済むと、あとは文学作品やら評論文やら作品論やら、大量のテキストを与えられてひたすら辞書と格闘していた、という感じでしょうか。英語しか知らない当時の自分にとって、初めて出会うドイツ語の単語の発音や細かな文法規則に相当な違和感、あるいは新鮮な驚きを感じたはずなのですが、実際にはそんなことを意識する暇もなく、ドイツ語の大海原の中で溺れないように息をするのがやっとという状態でした。語学学習においては、気の利いた習得のコツや方法論よりは、単位時間あたりに接触する言葉の量と質こそが決定的だという、味気なくも冷厳な事実であります。
さて、これだけでは身も蓋もないので、当時心がけたことのうち、読者の皆さんにも参考になりそうなことを述べていみたいと思います。

ひとつは、独りよがりの思い込みや誤読に陥らないために、辞書を最大限活用して読み進めていくということ。改めて言うまでもない、ごく当たり前のことではありますが。当時の授業の形態は、毎回学生が授業の下調べをしていって、誰かが当てられて文章を訳読し、それに先生が解説を加えるというものでした(その意味では、今とほとんど変わりません)。不思議なもので、毎回課されたテキストには、必ず何カ所か初学者を惑わすトラップのような箇所があって、私自身も含めて、大抵の学生がそれに引っかかる。そのトラップに引っかかる理由は、思い込みや文法知識の不足ということもありますが、ほとんどの場合は辞書の下調べが不足しているケースでした。罠に引っかかっては転び、また引っかかっては転びという経験そのものが実は大変貴重で、今にして思えば、語学力の向上のみならず、読解力そのものを養う上でも大いに役に立ったと思っています。しかし、本質的に重要なのは、辞書を引くことを面倒がらず、そこに書かれた情報を最大限に利用しようという意識だと思います。最近の学生を見ていると、電子辞書が普及したせいでしょうか、辞書をくまなく調べるという習慣が身に付いていないように思われるので、なおさらその感を強くしています。
もうひとつは、ドイツ語の学習に、徹底的に英語の知識を活かすということ、あるいは絶えず英語との関連を考えながらドイツ語を学んでいくということ。言葉の歴史からすると、ドイツ語と英語は非常に近しい間柄にあって、語彙から文法のレベルまで似通った点がたくさんあるのです。
そうすることのメリットは、両者の絶えざる比較対照によって、ドイツ語の学習が容易になるのみならず、やがては英語の理解も深まっていくという相乗の効果が期待できる点です。たとえば、「前置詞」の定義がたとえ分からなくても、英語の前置詞の知識があれば、ドイツ語の前置詞を理解するのはさほど難しくはありません。一方ドイツ語の前置詞の知識から英語の前置詞を振り返ってみた場合、前置詞の目的語に人称代名詞がきたときに、どうして主格ではなく目的格になるのか(つまり、どうしてwith he ではなくてwith himになるのか)を類推するのは同様にそんなに困難なことではありません。(ドイツ語では前置詞毎に支配する名詞の格が決まっているのだから、英語の前置詞が人称代名詞の目的格を支配したって、それくらい許してあげましょう、ということ。)ことほど左様に、単語のレベルから文法のレベルまで、絶えず二つの言語を比較する習慣を身に付けていけば、まさに一挙両得の恩恵を得ることができるでしょう。
日の本に新しきことなし。外国語を学ぶコツや工夫はすでに言い尽くされていて、上記の提案に目新しいことは何もないのですが、私の実感に基づいたものであることは確かです。外国語を学ぼうとする皆さんの、少しでも参考になれば幸いです。

[コラム3]英語の後にドイツ語を習うということ(門間俊明先生)

 今日は、言語文化学科でドイツ語を教えている門間俊明先生から、外国語修得のためのアドバイスとして、ドイツ語についての話を聞きました。学生たちは高校生まで英語を6年以上勉強した後、本学科に入って本格的に独・仏・中・韓の第二外国語をしっかりと学ぶことになります。それでは、「英語の後にドイツ語を習うということ」はどういう意味を持つのでしょうか。

※       ※       ※

 語学の学習という観点から自分の学生時代を振り返ると、客観状況としては、人生の比較的早い段階に、英語、ドイツ語という二つの外国語を相前後してそこそこ集中的に学習したということになります。ここでは自分自身の経験に基づいて、最初は英語、その後にドイツ語という順序で学習したことのメリットについて考えてみたいと思います。

 言語の歴史からすると、ドイツ語と英語は非常に近しい間柄にあって、語彙から文法のレベルまで似通った点がたくさんあります。例えばdrink/trinken、come/kommen、apple/Apfel、garden/Gartenなど、単純に対応する語彙を並べていけば、枚挙にいとまがありません。ドイツ語を学び始めたばかりの私にとって、これらの対応関係を見つけて確認すること自体が単純に楽しかったのを覚えています。外国語学習の初期段階で新しく単語を覚えるというのは根気のいる困難な作業ですが、このように英語の後のドイツ語では、その困難さが大きく軽減されることになります。

 あるいは、文法の枠組みが似通っているというのも大きなメリットかもしれません。例えば、英語の関係代名詞を知らない人が全く白紙の状態でドイツ語の関係代名詞を習った場合、相当な困難を伴うでしょうが、英語の文法知識を持った人であれば、さほどでもないはずです。つまり、使われる単語がたとえ違っていても、文法全体の枠組みや個々の文法のロジックが共通しているので、ドイツ語の習得が容易になるのです。

 英語の後にドイツ語の習うことのメリットは他にもたくさんあるのですが、一般に中学高校で英語を勉強し、大学でそれ以外の外国語を勉強したという場合、二つ言語の学習経験は全く独立した別のものと思われがちです。しかし、実際には両者は大きく重なり合い、依存し合っているように思われます。ひょっとしたらその点に、大学で英語以外の外国語を学ぶ意味が隠されているのかもしれません

【新任教員紹介3】Ulrich FLICK 先生(ドイツ語)

今年は、長年言語文化学科に勤められたゾンダーマン先生が退職され、その後任として4月からフリック先生が着任されました。さて、今日は、【新任教員紹介】コーナの第3回目として、フリック先生をご紹介致します。

*     *     *

<Q1> 「お名前」をお教え下さい。

Flick, Ulrich(フリック・ウルリッヒ)と言います。

<Q2> 「ご専門(あるいは担当科目)」をお教え下さい。

専門はもともと日本研究と中国研究です。学生時代は幅広い分野で様々なことをやりましたが、最終的に歴史学の方に落ち着きました。具体的に言うと、主に植民地の教育史を研究しています。こちらではコミュニケーションをメインにドイツ語の授業を担当していますが。

<Q3> 好きな食べ物は何ですか。

おいしいものが好きです。

↑フリック先生の故郷ハイデルベルクの風景

<Q4> 好きな映画を紹介してください。

これは意外と難しい質問です。好きな映画はたくさんありますが、私が評価しているところはかなりバラバラなので、「これだ」と限定するのは難しいですね。

<Q5> 最近嬉しかったことは何ですか。

先日朝6時に、鶯が家の前で一生懸命鳴いてくれたことです。

<Q6> 感銘深く読んだ本と学生に推薦したい本をお教えください。

感銘深く読んだ本はたくさんありますが、特に日本人にはミヒャエル・エンデ著作の『モモ』をお薦めしたいです。もともと青年文学として位置づけられている作品なので、大人に薦めていいのかと、違和感を覚えるかもしれませんが、内容が大変深い作品です。作品を通じて得られるものがとても多いと思います。

<Q7> 研究者(あるいは教員)を志したのは いつですか。

学者家庭出身であるのも大きな要因だと思いますが、最初に研究者になるのを志したのは幼稚園の頃です。高校卒業までそう思ってきましたが、正直にいうと、大学に入ってから、それが本当に自分にふさわしい進路なのか、本当に自分が望んでいる進路なのか、かなり迷ったこともあります。結局他の原因もあって、実際しばらくこの道から外れたこともあります。

<Q8> 学院大(生)のよいところをお教え下さい。

この質問には今の段階ではまだ答えられません。授業が始まったばかりで、まだ他の大学と比べての特徴をつかめていません。設備が大変充実していて、そういう意味で学院大はとても勉強しやすい環境になっていると思います。

<Q9> 学生時代に印象に残った先生について教えてください。

実はいい意味で印象に残った先生も、悪い意味で印象に残った先生もおります。

いい意味で印象に残った先生といえば、以前留学の時お世話になった先生のことを思い浮かべます。研究者としても、教育者としてもとても優秀で、特徴が多い方でしたが、大変印象に残ったのは先生の教え子の扱い方でした。先生はシャイな学生に人の前で話す必要がある任務を与えたり、場合によって少しいじめのようにも受け止められたかもしれませんが、よくよく考えてみると、それぞれの教え子に、本人の成長につながるような刺激を与えようとされていたことがわかります。しっかりと学生の性格を見て、人の成長を狙い、本人に最も相応しい扱い方をしようとするのはこの先生のとても素晴らしいところだと思います。

<Q10> 異文化“誤解”のエピソードがあればお教え下さい。

異文化「誤解」といえば、確かに異文化との接触の難しさがよくわかるエピソードがあります。

以前、母校にヨルダンから留学にきた軍医と知り合い、仲良くなって、ある日自宅に招かれました。多くの国では確かにそうですが、ドイツでも人のお家を訪ねる場合、とても親しい人でしたら別かもしれませんが、やっぱり手ぶらではいけないですね。ただ、アラブの文化をあまり詳しく知らなかったので、どうすればいいか、よくわかりませんでした。そこでエジプト出身の友人に聞いてみたところ、エジプトの場合にはやはりちょっとしたプレゼントを持っていくとのことでした。ちょうどその時、仲間にレバノン出身の友人がいたので、レバノンの方がヨルダンに近いということで友人の仲間にも意見を求めました。場所によって習慣が違うけれども、やはり食べ物みたいな、ちょっとしたプレゼントを用意すれば間違いないだろうとの回答でした。宗教の関係で問題になるものもあるので、結局ドイツ特産のクッキーにしました。ただ、実際に知り合いのお家を訪問し、プレゼントを渡したら、相手はそれに大変難色を示しました。そしてこんなことを語ってくれました。

「実は同じヨルダンでも場所によって習慣が違います。実際にあったことですけれども、あるベドウインの部族が違う部族を訪問した時、プレゼントを持っていけば、相手が貧乏でお客さんをもてなす能力がないという意味を持つので、何も用意せず、相手の部族ではプレゼントを用意するのは当たり前だったので、結局ケチと思われました。しばらく経って、後者の部族が前者の部族を訪れた際には、自分たちの習慣どおりたくさんのプレゼントを持って行った結果、お客さんをもてなす能力がないと相手に疑われているという印象を与えてしまいました。アラブ文化では相手が貧乏だと思うのも侮辱ですが、おもてなしを非常に大事にする文化なので、相手がケチだと思うことも侮辱に相当して、この出来事によってこの二つの部族は仲が破れました。」

そして私の知り合いもプレゼントを用意しない方の伝統を持っていました。

異文化との接触においては、普段はお互いの好意によりこのような問題は乗り越えられますが、文化背景、とりわけ習慣と伝統は深いところまで染みつくものなので、相手が悪意でやっていないことが分かっていても、どうしても関係に傷が生じたりすることもあります。私の知り合いも、私がその背景について知らなかったことははっきり分かっていましたが、この時点では空気が緊張感に満ちていました。結局私がプレゼントをあげたいのではなく、自分の国のものを紹介したいということにしたら、ようやく私の知り合いもそれに納得してくれ、緊張感が一気にほぐれ、一緒にとても楽しい時間を過ごすことができました。

<Q11> 赴任以来、「なんでやねん」と思わずツッコんでしまった出来事はありますか。

不思議に思ったことも、違和感を覚えたこともいろいろありますが、その中にはご質問にふさわしいエピソードは多分ないと思います。

<Q12> 五月病に悩む学生へ一言、「こうしてごらん」。

ドイツには五月病がないので、ドイツへの留学をお勧めします。

【学生からも一言】

フリック先生はドイツ、ヨーロッパの歴史、文化はもちろん日本の文化にまでも造詣の深い大変博識な先生であり、また、研究室に質問に行った時も丁寧にアドバイスをくださるのでとても良い先生です。

言語文化学科3年生後藤健太郎さん

【新任教員紹介2】原貴子先生(日本文学・文化)

今年、言語文化学科では4人の新しい先生をお迎えしました。前回の文景楠先生(哲学)に続き、今日は日本文学・文化を担当なさる原貴子先生をご紹介致します。

<Q1> 「お名前」をお教え下さい。

原貴子(はら・たかこ)です。

<Q2> 「ご専門(あるいは担当科目)」をお教え下さい。

日本近代文学を専門にしています。

<Q3> 最近嬉しかったことは何ですか。

上野動物園でコビトカバを見たことです。コビトカバののんびり、おっとりしている様子を見て、和みました。

<Q4> 感銘深く読んだ本と学生に推薦したい本をお教えください。

感銘深く読んだ本は、樋口一葉の小説「にごりえ」でしょうか。初めて読んだとき、鳥肌が立ちました。また、何度読んでも、迫力のある描写に引き込まれます。学生さんに推薦したい本は、小澤征爾の『ボクの音楽武者修行』です。読むと、元気が出ます。

<Q5> 研究者(あるいは教員)を志したのは いつですか。

大学生のときに、文学作品を対象に調べたり考えたりしたことを文章化するということが、苦しいけれども面白いと感じました。こうしたことをやり続けたいとは思っていたのですが、研究者になろうとはっきり志したことは、ないかもしれません。たまたま今、そのようなかたちになっていますが、どのようなかたちであれ、文学作品についての考えを自分の言葉で綴るということは続けたいと思っていました。

<Q6> 学院大(生)のよいところをお教え下さい。

まだ赴任して1ヶ月ぐらいしか経っていないので、学生さんのことをきちんと見ることができているわけではないのですが、生き生きしていて品がいい印象を受けました。

<Q7> 学生時代に印象に残った先生について教えてください。

お一人だけ挙げるとしたら、国文学科にいらっしゃった神父様でしょうか。神父様は、制度にとらわれず、ときどきは自らを省みながらも自由に過ごしてよいことを教えてくださったように思います。

<Q8> 赴任以来、「なんでやねん」と思わずツッコんでしまった出来事はありますか。

大学に直接関わることではありませんが、仙台に住んでみて一番驚いたことは、あまりにも風が強いということです。

<Q9> 五月病に悩む学生へ一言、「こうしてごらん」。

体が、休んでほしいというサインを送ってきているのだと思います。ですので、元気にならなければとか、頑張らなければとか思ったりせずに、とにかく、そのときの自分に無理しなくてもできることだけをしてみるというのはどうでしょうか。

【学生からも一言】 

原先生の私の印象は、和やかな雰囲気あふれる先生です。初対面の時からずっとその印象は変わりません。二年生の冬、ゼミの希望書類をそろそろ出さなくてはいけない頃に、新しく日本文学を担当される先生のもとへ説明を聞きに行きました。もともと前任の日本文学の先生のゼミに入るつもりだった私は、先生が代わると聞いて、日本文学の道に進むつもりはありませんでした。しかし、原先生のお話しを伺い、その気持ちは一転しました。日本文学の先生はもっとかっちりしている、性格のお堅い先生を勝手に想像していたのですが、そんな私の想像とは全く逆で、先生は話しやすい優しい空気をもっています。初めてお会いしてから今までも、たぶんこれからもそのイメージは変わらないと思います。今までも、とはいってもゼミが始まってまだ1ヵ月しか経っていませんが、これから原先生から学ぶことがたくさんあると思うので、よろしくお願いします!

(言語文化学科3年 母里真奈美)

【新任教員紹介1】文景楠先生、ようこそ言語文化学科へ!

今年、言語文化学科では4人の新しい先生をお迎えしました。まず、哲学を担当なさる文景楠先生をご紹介致します。

<Q1> 「お名前」をお教え下さい。

ややこしいかもしれませんが、いくつか書き方があります。漢字だと「文 景楠」、カタカナだと「ムン キョンナミ」、ハングルだと「문 경남」、ついでにアルファベットで書くと「Moon Kyungnam」になります。それぞれ与える感じも、連想させる音も微妙に違いますね。自分としては、どちらかというと漢字表記が一番しっくりきます。

<Q2> 「ご専門(あるいは担当科目)」をお教え下さい。

ギリシア哲学、その中でも特にアリストテレスを専門にしていますが、学院では哲学系の科目を幅広く担当していく予定です。国際交流や語学教育にも関心があり、以前は英語の先生も少ししていました。残念ながら韓国語を教えた経験はありませんが、会話の練習がしたい人は歓迎します。

<Q3> 好きな食べ物は何ですか。

全般的に何でもよく食べます。幼少の頃から海外経験があるせいか、食べ慣れたこれがないと元気がでない、といったことはほとんどないです。例えば、アメリカに少し住んでいたときはずっとサンドイッチばかりだったような気がしますが、割と平気でしたね。

<Q4> 好きな映画を紹介してください。

観て、楽しんで、振り返ったらけろっと忘れるほうなので…

<Q5> 最近嬉しかったことは何ですか。

もちろん長すぎた学生生活に終止符を打てたことです。後は、仙台の街が自分が想像していたよりもずっと住みやすかったことでしょうか。

<Q6> 感銘深く読んだ本と学生に推薦したい本をお教えください。

自分にとって本を読むのは完全に仕事なので、確率的に「感銘を受ける」ことはどんどん減ってきています。以前感銘深く読んだ本も、今目を通したら全然違う感想を抱くかもしれません。人との出会いもそうですが、本もその出会いが生じた文脈によって印象ががらっと変わります。そういう意味では、人に勧められることよりも、本との偶然の出会いをたくさんもって欲しいですね。先生たちが授業中に(往々にして授業の中身と関係なく)ぽろっと出した題名とか、ネットで偶然読んだ書評とか、そういうものを頼りに書店と図書館をさまよってください。

<Q7> 研究者(あるいは教員)を志したのは いつですか。

僕は割と早い時期から研究者になることをぼんやりと望んでいて、一応そのつもりで人生計画を練ってきました。ただし、途中で何度も挫折しそうになった場面があって、結果的には立ち直ってなんとか研究者になれたわけですが、これに関してはもはや成り行きや僥倖としかいえないような部分があります。そのほとんどが自分の力ではどうにもならないもので、とにかく人に頼りました。
ちなみに、今は「研究者」だけでなく「教員」でもあるということを強く意識しています。ついでに「社会人」であるということも忘れないようにしないと…他にも、「外国人」とか、「東北の人」とか、意識しなければならないことが歳をとるにつれてどんどん増えてる気がします。

<Q8> 学院大(生)のよいところをお教え下さい。

まだ着任して一ヶ月ぐらいしか経ってないので、この質問に答えるのはさすがに難しいですね。また、学院大か学院大生かで質問の理解も答えの中身もだいぶ変わってくると思います。とりあえず後者に関しては、(教科書的で恐縮ですが)まとめすぎず個々人の良さを見ていくことが大事ではないでしょうか。

<Q9> 学生時代に印象に残った先生について教えてください。

大学(院)生活全般を通して強く印象に残っているのは、やはり苦楽をともにしていただいた論文の指導教員です。学院大生の皆様も卒業論文で先生方と密につきあう時期がいつか必ず訪れると思いますが、さらに大学院に進学した場合は、それが長くは10年以上続くことになります。僕の最初の指導教員は、修士課程が終わる頃に病気で亡くなってしまいました。その後同じ学科にいらした別の先生に運良く受け入れていただいたわけですが、どちらの先生からも同じぐらい大きな影響を受けたと思っています。お二人の性格はかなり違ってますが、共通していたのは、議論を心から楽しんでいたという点でした。ついでに、どちらの先生も自分の主義主張を学生に押しつけるということがまったくなく、でもこちらが何か考えをもっていくととても真剣に相手をしてくれました。自分も学院大の学生たちにとってそういう先生になりたいと思ってます。

<Q10> 異文化“誤解”のエピソードがあればお教え下さい。

多文化生活が基本となってしまった僕の場合、もはや自文化がなんだったのかがかなり怪しくなっています。自文化と異文化の区別が曖昧なので、おやと思うことがあっても、これが異文化”誤解なのかがわかりません。個人的には完全に開き直っていて、どこにいっても旅行してるみたいでそれなりに楽しくてよかったと思ってます。裏を返せば、どこにいっても不慣れでおどおどしてるということになるかもしれませんが。

<Q11> 赴任以来、「なんでやねん」と思わずツッコんでしまった出来事はありますか。

ツッコみかどうかはわかりませんが、在籍している人のほとんど全員が東北六県の出身だということにかなり驚きました。でも今は、これはむしろ(本当は地方出身者であるにも関わらず)往来の激しい首都圏生活に慣れすぎてしまった自分にツッコむべきところなのかもしれないと思い始めてます。少なくとも当分の間は、学院大生に対して外に出てみたいという意欲をかき立てるような「異質分子」でいたいですね。

<Q12> 五月病に悩む学生へ一言、「こうしてごらん」。

まず、本当につらい場合は五月病どころで済む話ではない可能性があります。症状によってはきちんとした治療を受ける必要があるので、(なかなか難しいですが)SOSサインを出せるような心構えをしておいてください。
後はなんでしょうか…自分にとっての悩みの解決といえる状態が、具体的にどのようなものかをゆっくり考えてみるのがよいかもしれません。絵に描いたような模範的な学生になりたいのか(これはこれで立派なことです)、それとも、色々迷ったりするけどなんとか居場所を保てていればよしとするか。こんな感じでちょっとばかり距離をおいて考えたら、少なくとも過度に焦ったり自分を責めたりする気持ちは和らぐかもしれませんね。

最後に一言。

ここまで読んでくださった方は、「なかなか素直に質問に答えない先生だな!」という印象を受けられたと思います(笑)。それでいいんじゃないでしょうか。もちろんやりとりの基本は問いに誠実に答えることですが、学生の皆様には是非とも「この質問は特定の答えを誘導してるんじゃないか」とか「この質問はこういうことを前提にしてるけど、その前提は受け入れられない」といったことに思いをめぐらせて欲しいです(試験問題に対してあまりこれをやられるとつらいですが)。

【 学生からも一言 】

(教養学部言語文化学科 TKさん)
最初の印象はとても日本語がうまいなと思いました。(冗談です)
とても真面目な先生です。しかし、真面目だからと言ってつまらないわけではなくとてもお話が面白かったり、構成がうまいなと思うところもあり、楽しく授業を受けさせてもらってます。

(法学部法律学科 SAさん)
最初に文先生の授業を受けたとき、「丁寧だ!」とびっくりしました。大学の授業は高校までの先生と違い、不親切で、教えるのが下手と聞いていたので真逆の対応に驚きました。文先生は自身が研究者としての自覚の他、教員としての自覚も持ってて、授業に学生が興味を持てるような小ネタを挟んでくれます。
また専門がギリシア哲学なので、哲学の基礎といえる学問についての質問にもしっかり答えてくれます。
それに哲学者らしい素直ではない言い回しが面白いです!

日中友好大学生訪中団に参加

2017年3月23日~29日の間、『日中友好大学生訪中団』の一員として中国(北京、曲阜、済南、上海)に行ってきました。

テレビなどはよく中国人の爆買いやマナーの悪さについて取り上げています。そういうものを見ていたからでしょうか、私自身も中国人に対する印象は良くありませんでした。しかし、東北学院大学に来ている留学生のサポート活動をしていると、彼女らの礼儀正しさや愛情深さを、どうしても感じずにはいられません。

上海100万ドルの景色

やっぱり自分で見て感じたものが真実なのではないでしょうか。もし訪中団に加われたら、本当の中国を知る良い機会になるはずと、私は応募を決めました。

後に知るところによれば、「応募数210名の中から、27都道府県53大学の99名が書類審査を経て団員に選抜された」そうですから、私はかなり運がよかったのかもしれません。

さて、中国では日本で感じられない景色を楽しむことができました。発展した街並み、何もないだだっ広い山地、人の手が加わっていない圧倒的な自然、見るもの見るものがすべて新鮮でした。

山東大学の学生との交流

今回の訪中団のスケジュールの中で、2度中国の学生と交流する機会がありました。彼らは皆私たち日本人学生を熱く歓迎してくれました。中国人のイメージとしてあった冷たさなど、微塵も感じられません。

私はこの訪中団を通して中国に対する見方が変わった、しいて言えば見方を変えることができました。今までメディアの情報を鵜呑みにしていた自分から卒業できたのではないかと思います。「百聞は一見に如かず」、この言葉につきます。

中国ではご馳走と共に熱烈な歓迎を受けました

『日中友好大学生訪中団』は年に3度派遣されていて、今年度はまだあと2陣残っています。中国に行ってみたい、そういう気持ちだけでも十分だと思うので、後輩の皆さん、ぜひ応募してみてください。そして、生の中国を感じてきてください。

( 言語文化学科3年 平栞奈 )

「韓国・朝鮮語コミュニケーションⅢ」の授業

今日は松谷基和先生による「韓国・朝鮮語コミュニケーションⅢ」の授業にお邪魔しました。

この科目の受講生は10人ですが、なんと聴講生も10人で、聴講生はみんな韓国平澤大学から来た留学生です。

この科目は、3年生を対象にするいわゆる高級韓国語会話の授業で、様々な場面においてのフリートーキング力を身に付けることを目指しています。

日本人の学生と留学生が1:1でペアになり、自分たちでお互いに高め合う場として、真剣に、活発に、そして楽しくお互いの発表について質問したり、指摘したりしています。

韓国語表現の違いや文法などは、お互いに調べたり話し合いながら答えを見つけています。もちろん、授業ではみんな韓国語で話しています!

留学生たちが東北学院大学に来て約1か月になりますが、すでに親しい仲となり、校内ではあちらこちらで留学生と韓国語で話し合う姿が見られています。

留学生歓迎会

言語文化学科にはたくさんの留学生たちが来て勉強しています。今年は、韓国・中国・タイ・台湾から留学生が来ていますが、今日は佐藤真紀先生及び留学生サポーターの皆様による歓迎会が行われました。

これから日本と東北についてたくさんのことを勉強し、理解を深め、自分の国と架け橋になれるような人材になっていただければと思います。